かぼすラードラー

かぼすラードラーは、ベアレンが造るラードラーの一つだ。以前から夏の限定ビールとして造られているが、「かぼすラードラー」を造ることによって、それまでの「ラードラー」を「レモンラードラー」と商品名を改める必要があった。なぜ、ベアレンがそこまでして「かぼすラードラー」の製造に踏み切ったのか?

ベアレンラードラーを振り返る

ラードラーの地域性について、前回のブログで少し書いたが

味わいのバリエーションに醸造所の個性が出せるのなら、ベアレンとしはなるべく地域性があった方が良いと考えている。日本国内でもレモンは生産しており、「ベアレンラードラー」を商品化した当初、私達は国産レモンを使用していた。しかし発売から、国内レモンの原料調達の状況は次第に変わっていき、数年でベアレン醸造所が安定的に入手することが難しくなってきた。そのタイミングで、私達は「ラードラーの地域性」「日本らしい柑橘」を改めて考えることになる。

日本が誇る和柑橘「かぼす」

縁あって、当時ベアレンと関わっていた方から、大分県産かぼすの生産者さんとベアレン繋いで頂いた。その時、私達は日本が誇る和柑橘「かぼす」の魅力を改めて知ることとなる。かぼすは和食で使用されることが多く、薬味としてはメジャーだが、果汁が使われることは少ない。しかし実は、果汁はまろやかな酸味が特徴的で、レモンとは違った風味と味わいがあり、素材としての可能性に満ちている。私達は、このかぼすを「もっとフォーカスされても良い和柑橘」だと感じることになった。

かぼすラードラーは比較されることを前提としている

かぼすは、レモンと同じようには使用できない。しかし、そこは当社マイスターの宮木が経験値を活かして、積極的に味わいの設計を組み立てていった。ラードラーのビアスタイルに存在する「幅の広さ」を十分に理解している彼だからこそ、基礎となるビールに液糖を使用して、かぼすの風味と酸味をレモンラードラーと比較できるポイントまでバランスをとっている。

要するに、かぼすラードラーは「ラードラー」というカテゴリで比較されることを前提としているので、バランスが重要なのだ。

出会いが商品化につながり、商品が人をつなぐ

文中「縁あって生産者と繋がった」と書いたが、そもそも私達には良い出会いがあった。

出会いだけで商品には繋がらないが、タイミングが重要なのかもしれない。

世の中的に国産レモンの入手が困難になったタイミングで、私達が出会った人たちの、めぐり合わせがこの商品を生み出したと言っても過言ではない。※かぼすとの出会いはこちらを参照(株式会社ワークライフバランス社様HP)

そういった意味では、「ベアレンらしい」商品だと思う。これからもずっと飲まれ続けるようなものに育てていきたい。

2023年6月7日 高橋司

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