チョコレートスタウトヴィンテージ 木樽熟成

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ベアレンでは、濃厚なチョコレートスタウトヴィンテージの一部を木樽にいれて熟成させたものを超限定で販売している。

独特な濃厚さ

チョコレートスタウトヴィンテージは濃厚な「スタウト」という黒ビール。ビアスタイルからいけば「インペリアスタウト」に分類できるだろう。このビアスタイルの特徴として、高アルコール、とロースト麦芽を使用したロースト香が挙げられる。濃縮された麦汁と糖類がもたらすボディ感は、他のビアスタイルでは体現できない。

木樽での熟成で得られるもの、失うもの。

このようなビールを木樽で熟成させると、通常の製造方法では得られない「樽香」が感じられるようになる。どの樽を使用するかで、樽の香りは異なるが、ベアレンの木樽熟成は岩手県内北三陸の涼海の丘ワイナリーの樽を使用している。山葡萄のタンニン分が若干感じられる程度のものだが、それほど強く感じることはない。これは作り手の好みであるため、ブルワリーによっては新樽を使用したり、バーボン樽を使用する作り手もいる。

一方、失うものとして炭酸ガスがある。熟成期間に比例して、炭酸ガスが失われ、酸化が進む。つまり、「フレッシュ感」が皆無になるということである。

過去と、未来へのチャレンジビール

このようなビールは、かつて長期輸送に耐えられるように濃厚な味わい、高アルコールの状態で木樽に詰められ船で運ばれた。この味わいを現代に復活させようとすると現代においては、作り手が低温管理によって、「程よいバランス」を探ることになる。

おそらく、大航海時代のビール職人も「濃厚かつ高アルコール」の状態で熟成の先、腐敗しないギリギリのバランスを狙った作りをしていたと想像できる。しかし現在においては冷蔵熟成ができるようになったため、より一層ビール職人の個性が表現できるようになったのが、「木樽熟成ビール」といえよう。

熟成前提のビールに思うこと

私個人の解釈としては、熟成を前提としたビールの味わいは、作り手、飲み手の両者によって時間をかけて育てられるパーソナルビール、と言えると思う。保管方法、保管期間、ヴィンテージを開ける日・・・そういった楽しみ方を探すのもこのビールの醍醐味といえよう。

2024年4月8日 高橋司

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