ドライチョコレートスタウト

今年、缶で新発売になったドライチョコレートスタウト。同時発売の「コーヒースタウト」の陰に隠れるような印象だが、実は味わいも、ペアリング的な視点でもオススメのビールと言える。

ドライスタウトとはどういうものか?

もともと「ポーター」という濃色ビールが16世紀にあったがギネス社がロースト麦芽を使用したスタウトを開発。当時麦芽に税金が掛けられていたため、節税対策として「発芽していない麦」を使用して造ったのがドライスタウト。麦芽化していないため糖化せずにドライな状態の味わいに仕上がっているのが特徴。濃厚な色合いとは反対にドライで軽い飲み口が特徴となっている。

同時発売の「コーヒースタウト」との比較

原材料にコーヒー豆を使用している「コーヒースタウト」は、チョコレートとのペアリングを意識して開発されており、非常にキャッチーで味わいもペアリングも想像しやすい。

しかしドライチョコレートスタウトは、(ドライ?濃厚?どっちなんだい?)という印象を持つ人もいるかも知れない。実際、飲んでいただくと分かるが、アルコール4.5%で残糖が少なく軽い飲み口。コーヒーのようなロースト香と優しいアロマホップの香りが強すぎず、飲み飽きることが無い、スタウトらしからぬ味わい、とも言えます。

スペシャリストか、ジェネラリストか?

コーヒースタウトがスイーツにペアリングさせやすい「スペシャリスト」ならば、ドライチョコレートスタウトはそのドライな味わいから『ペアリングの「ジェネラリスト」』といえる。肉料理に全般に合わせやすいのはもちろんだが、個人的には焦がし醤油を使ったお料理をつまみに飲むのがオススメだ。焦がし醤油を使ったチャーハン、野菜炒めなど、悪くない。小麦粉とバターを使用した焼き菓子とも相性が良いのはもちろんだが、ぜひ皆さんのペアリングを探求するきっかけにしていただきたい。

2024年3月2日 高橋司

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