海外研修旅行報告2

2024年1月28日から2月2日まで、南ドイツ現地3泊4日の日程にてスタッフ4名で海外研修へ行ってきました。

今回はその第二回、前回の記事はこちら

地元ミュンヘン最強のブランド『アウグスティナー醸造所』

ミュンヘンに行ってビールを飲む上で、外すことのできないブランドが「アウグスティナー」です。この醸造所は、1328年修道院醸造所として創業。ミュンヘン最古の醸造所として確固たる地位を築いています。

スタンダードの「ミュンヒナー ヘル」がオススメ

いくつかラインアップはありますが、スタンダードのミュンヒナーヘルがオススメされます。ビールのスタイルは「ヘレス」で、モルトのニュアンスが強く「喉を流れるような」非常にスムーズな飲み口が特徴。いつまでも飲める、そんなドリンカビリティのあるビールです。このアウグスティナーのビールは10年前にはダイアセチル香が感じられ、当時は(これ、状態が悪いのかな?)と疑ったほどでした。※ダイアセチル香はビール業界的には一般的にNGとされる。しかし、エーデルシュトフ(エクスポート)を飲むと全く感じられない。。。どうやら意図的にダイアセチル香コントロールしていると想像できました。一言で表現すると「クセ強め」のヘレスでした。

【直営レストラン。地下でまったりとランチ。伝統的な料理はちょっと日本人には多いか・・・】

しかし、それがミュンヘンっ子のふるさとの味わい。コンクールのための味わいではなく「地元の皆の味わい」なんだな、と思っていました。

10年後、感じた味わいは・・・

10年越しに味わった、アウグスティナーのヘレス。個人的な感想は・・・(普通に美味いじゃねぇかよ!)です。非常にバランスが良く、ダイアセチル香は弱く感じますが味わいに芯を造るようなしっかりとしてそれでいて、モルトのトースティな香りを邪魔しない、いいバランスです。一緒にいったスタッフも同じ意見。。。

アウグスティナーが変わったのか?俺たちが変わったのか?

人間の嗅覚をトレーニングする際、手順として「不快に思うくらい強烈な香気」を覚え、その後薄めて行って少量の香気成分を分解して捉えるようにしていきます。こういうトレーニングを一度すると、結構香気成分を捉えやすくなります。一方で不快に思うかどうか?は慣れの問題もあり、個人によって異なるためダイアセチル香(いわゆるバタースコッチのような少々甘い香り)は受け入れられる人もいますので慣れてしまう可能性があります。ベアレンのクラシックも同様の香りが有るため、正直言って(慣れたんじゃないか?)と思いましたが、個人的には「ダイアセチル慣れ」を差し引いても、やっぱりアウグスティナーのヘレスは昔よりマイルドになったと思いました。

誰に評価されるための味わいか?

アウグスティナーのヘレスも、ベアレンのクラシックも、どちらもダイアセチル香があるのが特徴ですが、多くのコンペティションで評価の基準にしているビアガイドライン(アメリカのビール団体Brewers Associationが公表)に照らし合わせると、「評価されない味わい」となります。しかし、アウグスティナーのヘレスを飲むと「誰に評価されるための味わいなのか?」ということを考えさせられます。アウグスティナーは、製造したビールの殆どがミュンヘン市内で消費されており、オクトーバーフェストに出店しているミュンヘンの6大醸造所では、唯一海外に輸出していません。それだけは10年前から変わっておらず、ミュンヘンで絶大な支持を得ている醸造所、といえると思います。

【とあるスーパーの冷蔵庫。下段が全部アウグスティナー。当然ビールケースでも山積みでストック】

次回、「世界最古の醸造所「ヴァイヘンシュテファン醸造所」に潜入」に続く。

2024年3月2日 高橋司

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA