ゆずシードル

2022年にリブランディングしたアイテムにゆずシードルがある。

「ゆず+シードル」の開発経緯

そもそも、輸出を前提として商品開発されたアイテムだった。
海外では、シードル専用のリンゴ品種や、生食には適さないリンゴがシードルには使用されている。そんな中、ベアレンでは岩手県産リンゴで製造するため生食用リンゴが使用される。糖度が高く酸味が低い生食用のリンゴを使用すると、どうしてもドライな味わいに仕上がる。そんな中、味わいの芯に残るような風味を「日本らしい柑橘」で仕上げようと考えて開発された。

国産ドライシードルの難しさ

生食用のリンゴは糖度が高く、発酵の際にほぼ全ての糖が酵母によってアルコールに転換される。そうなると、どこで味わいのバランスをとるのか?ということが重要になってくる。酸が少ないリンゴで造るシードルは、造り手からすれば、細い綱渡りをしているような感覚だ。酸が弱いリンゴでは、飲んだときのボディ感が出にくい。
ベアレンの場合は、リンゴを工場内で絞りすぐに発酵タンクに移動させている。かなりフレッシュな状態で製造するので香りが強く残るのが特徴で、この香りで味わい全体のバランスをとっている、とも言える。

輸出へのアレンジ

海外では、シードル専用品種のリンゴで作られるシードルが沢山存在している。
その中で、ベアレンのシードルを味わう意味は何だろうか?
私達がとった選択は、日本産らしいオリジナリティのあるシードル開発だった。
ドライシードルに、日本らしい柑橘をブレンド使用することで、ドライシードル本来の繊細な味わいとボディ感を補いつつ、いわゆる「テロワール」を感じてもらえるシードル。
それらをクリアしようと試行錯誤していった先に、ゆずシードルという商品が生まれることになった。

リブランディングで思うこと

開発当時は、「輸出向け」というポジショニングだった「ゆずシードル」だが、国内で権威のある「フジシードルチャレンジ」で評価されることで、私達も多少なりとも自信が持つことができた。今回のリブランディングによって、「岩手の果実シリーズ」で展開することになった。この機会に、国内外、シードルのカテゴリの枠を超えた商品として、多くの人に一度は試していただき、シードルの可能性を感じてもらいたい。

2023年6月25日 高橋司

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