フェストビール2021について

ベアレン醸造所では、例年、樽生ビールでのみ限定製造していたフェストビールを5年ぶりに瓶詰め発売することを決めた。

フェストビール≒メルツェン(3月ビール)とは

かつて、ビール造りが冬季間のみだった時代(冷蔵庫がまだ無かった時代です)、樽やタンクに残ったビールを空にしなければ、新しいビールをタンクに入れることができない。
そこで、10月にイベントを行い、ビールを大量消費してタンクを空にしてしまおう、と企画されたのがオクトーバーフェスト、ということになった。
夏は、ビール造りを行っていなかったわけだから、要するに「3月に仕込んだビールを10月に空にする→3月ビール(メルツェン)がフェストビール」ということになる。

薄れゆく「熟成」の意味合い

歴史的には超長期熟成のラガービールがフェストビール、ということになる。しかし、年中製造可能な今日では、わざわざ3月ビールを取っておく必要も無くなった。そのためにオクトーバーフェストのビールは8,9月頃に仕込んでリリースするようになっている。
つまり、フェストビールは「熟成期間は必要条件」ではなくなり、「濃厚な味わい」もまた必要条件ではなくなってしまった。
そのため、本場ドイツのミュンへンの醸造所では、最近は淡色で飲み口の軽やかなフェストビールが作られるようになってきている。(ここ10年くらいの変化ですね)

5年ぶりの発売した「ベアレンフェストビール」

ベアレンでもフェストビールを毎年作っていたが、その殆どが自社の「オクトーバーフェスト」で消費されていたため、瓶詰めで流通させることがなかった。しかし、このコロナ禍でイベント開催が出来ないため、ベアレンでは5年ぶりに瓶詰めし、多くの方に飲んでもらおうと発売するに至った。飲んだ経験がある人は知っていることだが、ベアレンフェストビールは伝統的な琥珀色で濃厚な味わいになっている。

会えないからこそ飲みたい季節のビール

イベント開催されず、誰かと一緒に飲むことが少なくなった。そんな中、季節のビールは日々の生活にアクセントが加わるように思う。ましてやイベントで飲まれていたビールならば、ビール仲間と共通の話題になりえる。ビール好きな人にとってベアレンフェストビールは、イベントで一緒に飲む日を想像しながら飲む、そんなビールになってくれるのではないだろうか。

2021年10月26日 高橋司

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