かぼちゃを原料に使用したビールとして、ベアレンでは「パンプキンウィートwith 3スパイシーズ」を昨年まで製造していた。
今年、「パンプキンエール」へとリニューアルした意味は何なのか。
変わったところと、変わらないところ
まず、スペック変更の内容を確認すると、ウィート(上面発酵、小麦)のビールから、エール(上面発酵、大麦麦芽)へとベースの味が変わっている。以前は、小麦を使用することで素材に含まれるタンパク質由来の濁りがあり、それによって発酵由来の華やかな香りと麦芽由来のトースト香、スパイスの香りの一体感を作っていたように思う。しかし、今回の変更により、小麦が除かれ、よりスパイスの香りを引き立たせる仕様になっている。そのため全体のバランスを考慮しスパイスも若干変更になっている。
一方で原材料に使用されているパンプキンは以前と同様。コンセプトは変えず、中身をリニューアルしたことになる。
見た目はポップなラベルだが・・・
ラベルのデザインの変更は、「お化け」路線から「カジュアルでポップ」な路線へ。ハロウィン色が強かったが、中身のリニューアルへフォーカスしてほしい、という造り手の気持ちもすこしある。
狙いはいったい何か?
ベアレンの本社工場で100年前の銅釜を使って仕込むのには、とてつもない労力がかかる。この設備で作るからには伝統的な製法へのリスペクトをもって取り組みたい。故に、より本格的で味わいのバランスを際立たせた方向へリニューアルを狙っている。
「コンセプト重視」のビールをより「本格派へ」
以前よりすこしスパイスの味わいを引き立たせ、全体のバランスとしては味わいに深みを出している。ビールそのもの単体でも美味いが、食事と合わせることで新しい発見がありそうな、そんなビールに仕上がった。味覚の秋に楽しむには、オススメしたいビール。
2021年10月21日 高橋司
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