毎年、2月になるとバレンタイン商戦が始まる。
ベアレンが、この商戦1ヶ月前にベアレンチョコレートスタウトと同時にリリースするのが「ベアレン ミルクチョコレートスタウト」だ。
ベアレン ミルクチョコレートスタウトとは
チョコレートスタウトより、少しだけ軽い飲み口に仕上げているスタウト。
このチョコレートスタウトには、糖を使用しており、その中身がラクトース(乳糖)。
つまり、乳糖由来の少しだけ甘みを感じる軽い口あたりのスタウト、ということになる。
白くはない。そして感じる甘さは「大人の甘さ」。
使用されている原材料自体が、麦芽、麦、ホップ、糖、なので、色に関係してくるものは、「麦芽、麦」のみ。甘さの表現は、非常に難しく個人差がとても大きい。ビールにおける甘さは、2の感覚で構成されていると私は思っている。1つは嗅覚で感じる甘さ。もう一つは味覚で感じる甘さだ。ミルクチョコレートスタウトは、そのどちらも比較対象がチョコレートスタウトであり、基本的な味わいがスタウト。よって、菓子の「ミルクチョコ」と比較すると甘くないな、と感じることになる。
(ちなみに、菓子のミルクチョコの甘さは、-個人差はあるものの-嗅覚から感じるものが非常に強い。一度鼻をつまんで食べてみてほしい。感じ方が全く異なるはずだ)
ところで、ミルクチョコレートスタウトは一般的なのか?
かつては、本場英国でもラクトースを使用し「ミルク・・・」というネーミングのスタウトがあった。しかし、未成年の誤飲を防止するため名前を「スイート・・・」などに変更するように変更することになる。近年では、クラフトビールの流行とともに自由なネーミングがつけられ、その中の一つに「ミルク・・・」というものも出てくるようになってきた。時代と共に商品名や表現方法が変わるのは、ビール業界も同じである。
製法も味わいも本格的。だからプレゼントにもおすすめしたい・・・当然自分のためにも。
玄人的な説明をすると、このビールの糖に使用されているラクトースはビール酵母がアルコールへ分解することができない。つまりアルコールに変化されず甘味として残る。甘味として残るからこそ「ビールとの一体感」というのが重要になってくる。実際にビールの砂糖を足してもらうとわかるが、使用量が難しく、だいたい不味くなる。
人間の舌で感じる甘味の閾値を超えたところの「さじ加減」に作り手の技術が現れる。このビールには、そういった部分が感じられる。だからこそ、ビール好きの人にはぜひとも飲んでもらいたい。
2021年2月2日 高橋司
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