ベアレン チョコレートスタウト®について

毎年、2月になるとバレンタイン商戦が始まる。
ベアレンが、この商戦1ヶ月前にリリースするのが「ベアレン チョコレートスタウト®」だ。

2005年に日本で初めてベアレンが製造した「元祖」チョコレートスタウト


ベアレンが創業以前から、世界中のビールを飲みまくり、リサーチしていた中に英国発祥の「チョコレートスタウト」というビアスタイルがあった。一見すると「チョコが入っているのではないか?」と疑いたくなるネーミング。しかし、実際は非常に濃厚でしっかりとした味わいのスタウトだった。当然、副原料は使われていないのが伝統のスタイルだ。

チョコが入っていないのになぜチョコレートスタウトという名前か?


原料に使用されている麦芽に「チョコレートモルト」と呼ばれる麦芽がある。これは業界内では流通されている特殊モルトの一つで、麦芽を高温で焙煎させた真っ黒い麦芽。一般的には、この麦芽を使用して製造する。これがネーミングの由来だ。

実は、チョコレートモルトを100%使用しているわけではない。


使用している麦芽のうちのすべてがこのチョコレートモルトを使用しているわけではない。
通常、麦芽は麦汁を取る際に、「糖化」と呼ばれる工程がある。これは(ざっくりとした説明になるが)麦芽を煮込んで甘くする工程だが、このときにチョコレートモルトだけでは甘くならない。そのため、10%~20%程度に留め、ピルスナーモルトなどによって目的の糖度まで上げている。

味わいに感じ取れるカカオや焙煎したてのコーヒー豆のような薫り


実際、飲んでみると分かるが甘くはない。
しかしながら、麦芽とホップだけなのに、カカオのようなほんのりとした甘い香りとコーヒー豆を焙煎したときの香ばしい香りを感じることができる。上面発酵酵母が醸す香りの中の一つ「エステル香」と表現されるもとのバランスがあるのだろうが、温度が上がってくると更に味わいの表情が変わってくる。
ごくごく飲んでも美味いと思うが、個人的なお勧めとしては、飲む前に少し常温に置いておき、飲んでみてほしい。ビールの美味しさに、温度変化の楽しみが加わることだろう。

2021年1月31日 高橋司

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