2021年2月20日、本日でベアレン醸造所は設立からちょうど20年の節目を迎えました。20年前ははるか遠い昔のようにも感じますし、あっという間だったような気もします。たった3人で始めた会社も今ではスタッフが70名を超え、今、私の目の前にも10人以上のスタッフが手を休めることなく仕事をしています。
一言では言えない、ぎゅっと詰まった20年がやはりあったんだな、と感慨深く思います。
「つなぐビール」をポプラ社さんより出版させていただいたのが2015年9月です。
会社設立から14年半、今から5年半前のことです。自分のストーリーや考え方が本になるなんて、と驚きと喜びと戸惑いを感じながら、編集者の方に毎日追い立てられて原稿を直した2015年の夏の日々を思い出します。
実は私、自分の著書をちゃんと読んだことがありません。出演したテレビを録画して見るなんて言うこともめったにありません。なんか、改めて自分を客観的に見るのが怖いんですね。
高校生の頃、森鴎外の「雁」を読んで以来、自分を客観的に見ることに努めてきていながら、実際に本当に客観的に見ることが怖いなんておかしいですよね。でも、本当なんです。もちろん、自分で書いたのですから内容は頭に入っていますよ。たまに、人から「つなぐビール」のここが印象的でした、って言われて、「あれ?そんなこと書いたかな」と思うこともありますけど。
久しぶりに、「つなぐビール」を手に取ってみます。工場直売所に展示用においてある一冊で、もう5年半もここにあるのでボロボロです。最後のページを繰ってみます。
あとがきを書いた早朝の事務所の光景が頭に浮かびます。余談ですが、あとがきはもっと長かったんです。かかわってくれた人への感謝がこの倍くらい書いてあったんですが、編集者の方に大幅にカットされました。。。
その、あとがきの最後に、こう書いてあります。
私たちのチャレンジはまだまだこれからも続きます。
初めて木村と二人でベアレンの立ち上げの約束をした夜。二人で夢見たゴールへの道は、まだ半分も来ていません。そんなこれからのベアレンと、いままでのベアレンを、この本がつなぐ存在であればと願っています。(P237)
夢見たゴールは、売上だけではありませんが、売上で見ると当時2015年の売上高に対して今の売り上げは1.6倍を超えています。でも、まだ道半ばです。でも、半分は過ぎたかな、確実に夢への道を一歩ずつ歩ませてもらっているのを感じています。
もちろん、順風満帆の日々ではありませんでしたし、試行錯誤を繰り返し、どちらかというと失敗ばかりの日々でした。でも、しっかり一歩ずつ歩めてこれたのは「つなぐビール」の存在が大きかったなと思います。
会社設立から20年、つまり起業して20年のこの節目のタイミングで、「つなぐビール」のその後を見返すことによって、あの時と今をつなぐ作業をしてみたいと思います。
全く先が見えていませんし、構想もありません。すぐに終わってしまうかもしれないし、長く続くかもしれません。まずは「つなぐビール」の最後のページに戻って、そこから始めてみたいと思います。
「つなぐビール、その後」、基本的に毎週土曜日の週1回の更新で、思うままにつらつらとそこから今をつなぐ作業をして行きたいと思います。どうぞお付き合いいただけますようお願いいたします。
2021年2月19日 嶌田洋一
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