春を告げるビール、としてベアレン醸造所では、マイボックを毎年製造している。
なぜ、マイボックを造るのか?
ベアレンとしては、ビールは安定感を求められるものであり、尚且つ飲み続けられる、いわゆる「ドリンカビリティ」は重要と考えている。しかし、マイボックは少しこの対象からは異なる。では、なぜ造りたいのか?
安定感を求められるビールにとって、「季節感」を感じられるビールは、とても重要な存在。特に岩手県で製造している私達にとっては、重要だと感じている。
春を感じられるビールは私達にとって、「長い冬を超えて、やっと暖かくなって春を感じられる喜びを共感するため」に重要で、そこに「春のビール=マイボック」があれば一層ハッピーな気分になれる。そのためにマイボックはピッタリのビールなのである。
なぜ、春はマイボックなのか?
ベアレン醸造所では、ドイツの伝統的なビールをリスペクトしているため、春の限定ビールには必然的にドイツの春のビールを採用することになった。しかし、なぜドイツでは春のビールとしてマイボックがあるのだろうか?
冬の寒さが厳しい南ドイツ発祥のビール
冬季間は日照時間が短いドイツだが、中でも南ドイツは冬の寒さが厳しい。
そのエリアで生まれたボックは、かつて秋口に仕込み長期熟成させて春に売り出したとされている。春の時期のボックは、南ドイツの気候の変化(日照時間が伸び始め、木々の新緑が急激に広まる)と相まって特別なものだったらしい。
ラベルにも季節が表現されている
そのため、ドイツのマイボックは緑色をしたラベルが多く、春の息吹を連想させる配色となっている。かつてベアレンでは、日本の春の色=ピンク、のラベルを使用していた。(現在は緑基調)
マイボックの液体の特性としては、濃厚、高アルコール、長期熟成、であり、ベアレンのスタンダードのビールからは少し離れているが、ベアレンとしては、「特別なビール」としての思い入れが深い。ぜひ春の特別な日に飲んでもらいたい。
2023年4月12日 高橋司
コメントを残す