クッチーナをベアレン傘下にする

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前回をお読みになったベアレンファンの方はもうすでにお分かりと思うが、このお店はクッチーナと言い、今の菜園マイクロブルワリーである。Kさんとは現店長の今野である。

今回からなぜ、クッチーナは菜園マイクロブルワリーになったのかをお伝えしていきたい。

私の想いから一緒にやらないかと言ってしまった翌日、社長の木村を呼んで事情を話した。

木村の答えは即答でOKだった。すぐさま私たちは新たな会社設立の準備を進めた。

クッチーナは今野が個人事業主のお店だったので、ベアレンが支援するには会社組織に変える必要がある。当社が買収するような形にはしたくなく、あくまでベアレンが支援して今野と一緒にお店をやっていく形にしたかったので、新たに別会社を設立することにした。

そうして設立したのがベアレンクッチーナ合同会社である。私が代表を務めることとなった。

しかし、お店についてはビールをすべてベアレンに切り替えたほかは大きな変更を行わなかった。それまでのお店の雰囲気を大事にしたかったし、駅ビルのお店もできたばかりでその余裕がなかったというのもあった、一般のお客さまの多くには、ベアレン傘下のお店になったということを知らない人も多かったのではないか。

これでベアレン直営レストランはこの時、材木町、中ノ橋、盛岡駅ビル、クッチーナと4店になったわけだが、人口30万人弱の地方都市にクラフトビール会社の直営レストランが4軒というのは他に例がないのではないか。正直、多いなと自分でも感じた。

経営者としては収益を考えての取捨選択は必要なのだろうが、それぞれのお店の常連の方の顔が目に浮かぶとどうしてもお店を絞ることができずに、なんとか4店の存続を模索していった。こうした選択と集中に思い切った決断ができないのは私の大きな弱点なんだろうと思う。

この影響はすぐに出た。既存のお店の中ノ橋、材木町の売上が落ち込んだ。

交通の便のいい、菜園のクッチーナにお客が流れたのだ。駅ビルの売上も上がらない。朝から営業の人件費もかさむ。ベアレンのレストラン部の収益は悪化した。

私はこの時点で飲食店経営8年目であった。飲食店においては全くの素人であった私も8年の経験でそれなりに飲食店の大変さ、楽しさ、ポイントなどは知っているつもりだったがやはり本業ではない甘さがあると感じる。そもそもベアレン醸造所は製造業の会社であって飲食業メインの会社ではない。メーカーのアンテナショップという位置づけがベアレンの直営レストランである。とはいっても収益を無視してよいわけはない。

しかし、私は経営者の前にやはりマーケッターなのだなと自分で感じる。この4店ある直営レストラン存続のためのマーケティング戦略に取り組むこととしたのだ。

ベアレン醸造所 専務取締役 嶌田洋一

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