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ベアレンの働き方改革の取り組みについてご紹介しているが、今回は両立支援について書きたい。そもそも働き方改革の取り組みのきっかけがスタッフの育休だったので、両立支援には関心が強かった。スタッフも3分の2が20,30代と若いスタッフが多いため、これから出産、育児を控えているという状況もあった。
まずは制度面での改善を行った。それまで子供の就学時までだった短時間勤務、残業免除の期間を子供の小学校卒業までとした。短時間勤務は多くのスタッフが育休明けに利用している。特に小学校低学年まではまだまだ手がかかる。長く短時間勤務の制度を利用できることは安心感につながると考えた。
また、仮に子育てで離職をした場合、10年間は無条件で再雇用するという制度も作った。離職する際に登録してもらう必要があるが、子育てについての考え方は人ぞれぞれ。しっかりと子育てに集中して取り組みたいという人もいるかもしれないと、離職する人の可能性も考えた。子育てが終わった時に安心して戻れるようにこの再雇用規程を作った。テレビでこれを長期の育休制度として紹介している企業もあったので、当社では最長10年間の育休が可能ということになる。
育休明けスタッフから最も好評を得ている制度が、育休明けスタッフは有給休暇プラス30日付与だ。育休明けのスタッフに最も多いのが保育園からの呼び出しだ。朝、出社したと思ったら子供が発熱したので迎えに来てほしいと呼び出されて、椅子に座る間もなく迎えに行く、なんていうこともしばしば。有給休暇をすぐに消化してしまい、年度の後半は欠勤続き・・・なんていうスタッフも少なくなかった。
それを見てこの制度を導入したのだが、基本的には年次有給休暇を先に消化してもらう。それがなくなってしまった場合に上限30日まで、子供が就学するまでの期間に使うことができる。この制度のおかげで育休明けスタッフの欠勤はなくなった。
育休中の配慮も忘れてはいない。私の基本的な考え方は、育休中であっても会社と遮断してしまわない、ということだ。スイッチのオンオフではなく、ボリュームを下げるイメージ。そのくらいで会社との関係を保っていたほうが復帰もしやすくなるし、孤立感も感じにくい。社内報などのお知らせの定期的な送付や面談を行っている。また、可能で本人も希望すれば育児休暇中も在宅で仕事をしてもらうこともある。
意外に知られていないが、休業給付をもらいながら給与を得ることは可能だ。育児休業の最初の半年は直前の給与の3分の2の給付を受けられるが、直前の給与の8割までは給付を減らさずに働けるので、8割と3分の2の間で在宅ワークをしてもらうスタッフもいる。
収入も増えるし、会社との関係も保ちつつで一石二鳥だ。
そして最も私が大切だと思っているのは、気持ちよく育児休業に入れること。会社全体で応援してあげるという雰囲気作りだと思っている。
当社では基本的に育児休業に入るスタッフについて人員補充はしないという方針でやっている。つまり、残されたスタッフが協力し合って育休スタッフの穴を埋める。育休に入るスタッフは申し訳ない、という気持ちになりやすいし、残されたスタッフの中には迷惑だな、と思う者も出るかもしれない。そう言った社内の雰囲気を一掃し、みんなで応援して気持ちよく育休に入ってもらい、それをみんなで応援するという空気の醸成に苦心してきた。
何がよかったのかと言われると難しいが、そう言った雰囲気ができてきていると思う。育休スタッフを応援しよう、と何度も言ってきたことがよかったのかもしれない。
いずれは私もお世話になるんだから、大変な時はお互いさま、そんな雰囲気が会社の中にあふれてきているのを実感する。そんな具体例も交えながら次回は男性育休の話まで広げてご紹介したい。
ベアレン醸造所 専務取締役 嶌田洋一
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