「つなぐビール、その後」の前って??という方へ、著書「つなぐビール」公式サイトをご参照ください。https://www.tsunagu.beer/
2017年10月にオープンした菜園マイクロブルワリー、盛岡初のパブブルワリーとしてスタートしたがこれまで120種類以上のビールを造ってきた。
新たな素材のチャレンジの場でもあったし、レシピ開発のテストの場でもあった。テストとはいえ、すべてのビールは販売してきたので、それらのビールを販売して飲んでいただき、ご意見いただいた多くのお客さまには感謝の気持ちでいっぱいだ。
今月、ベアレンの缶ビール「ザ・デイ」の新製品「イタリアンピルスナー」が発売になるが、これも昨年から何度もイタリアンピルスナーを試作していたので、お店によく来られる方には次はイタリアンピルスナーね・・・と察しがついていたことと思う。
菜園マイクロブルワリーから生まれた主なビールを紹介しよう。個人的にもっとも印象深いのはレッドラガーだ。当時、レッドXという新しい麦芽が紹介され、菜園マイクロブルワリーでレッドラガーとして製造した。これが衝撃的にうまかった。そしてハッとさせられるほどのきれいな赤色。麦芽の世界も進化しているのだなあと思い知った。
ご存知の通り、これが缶ビールの「イノベーション レッドラガー」となった。独特のベリーを感じる旨味とコクはラガービールの新たな世界を開いたと思っている。
毎年、春になると造るのが「バッケエール」だ。バッケとは東北の方言でフキノトウのこと。春になると道端でも生えてくるバッケ、これをビールに使ってみようとチャレンジしたのがバッケエールだ。今年もスタッフと私も一緒にバッケを収穫して、製造に使っている。フキノトウのほろ苦さと草の香りが心地よく、春を感じるビールとして定番となっている。
その他、秋には三陸で栽培される生姜を使ったジンジャーエール。葡萄を実際につぶしてワインとビールのハイブリッドのビールも作った。この場があったらこそのチャレンジができたのだと思っている。
ビールは原料にとても幅のあるお酒だ。麦芽とホップだけでなく、副原料も認められているので可能性は無限大だ。ネタは山ほど詰まっている。これからも菜園マイクロブルワリーでつくられるオンリーワンのビールにご期待いただきたい。
そして、この春、菜園マイクロブルワリーに缶締め機を導入した。昨今のコロナ禍によって増えているテイクアウトに対応するためだが、これもいち早く導入しようと進めた。ヒントはコロナ禍前に私が訪問したアメリカ・ポートランドのブルワリーパブにあった缶締め機だ。樽生のビールを持ち帰れるよと教えられ、早速注文してその様子を動画に収めた。これが面白い、ぜひいつかうちでもやりたいと思っていた。そんな中でのコロナによるテイクアウトの浸透である。世の中、本当に何があるかわからない。2年前にはテイクアウトなんて全く考えていなかったのに。
菜園マイクロブルワリーの缶のテイクアウトは人気のアイテムの一つとなっている。これはこれからも継続して定着していくだろう。
クラフトビールの可能性はまだまだ広がっていくと思っている。それをいち早くキャッチし、提案し、お客さまとのキャッチボールの中で需要が生まれていくのだと思っている。だからベアレンはいち早く取り組む、をこれからも大切にしたいと思っている。
ネタはまだまだ尽きる心配はない。これからもベアレンの提案に期待していただきたい。
ベアレン醸造所 専務取締役 嶌田洋一
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