ベアレンの冬季限定ビール「ウルズス」。
ウィンタービールで売り出した、初期のウルズスには、実はベアレンらしい「エッセンス」詰まっている。(写真は2003年のファーストロット。もちろん中身入り)
ベアレンの「今」のエッセンスが詰まったラベル
常に改善し「同じ失敗も成功も繰り返さない」という精神のもと、とにかく正解を疑うようなことばかりしていたが、この当時のラベルデザインにもそんな片鱗が垣間見える。
たとえば「ラベルの点数」とは。
ラベルについて、製造現場に関わらなければ、通常、気にすることは無いと思う。
実際、大手のビールの中瓶のラベル枚数は何枚あるかご存知だろうか?
多くは3枚。表、裏、ネック(王冠から下に伸びたボトルの細いところ)。それぞれに意味があり、常識として考えられているがコストダウンを考えたときには「本当に、それって必要か?」と見直すことができる。
この当時、ネックのラベルは使用していないが、表ラベルと裏ラベルの2枚を使用していたが、「全部記載事項が記入できるなら1枚でも問題ないはず」ということで、すべての情報を1枚に入れ込み、その分ラベルを大きくした。
今でこそ、多くのクラフトビールで1枚ラベルは見受けられるが、当時は殆ど存在していなかった、と記憶している。これにより、かなりのコストダウンになった。
細かすぎて伝わらない遊び
デザインもクリスマスをイメージし、赤を取り入れたラベルになった。しかし注目してほしいのはここではなく、ラベルデザインの中のアーチ部分に積もった雪。よく見ると、レンガにも雪が積もっている。(当時気がついた人はいただろうか!?)
「ちょっと遊びがほしいよね」という嶌田(専務取締役)の発想で、実際に実行するのがベアレンらしさだが、おそらくデザイナーは相当苦労したと思う。
気づくか気づかないか?のままでも良い。
ベアレンにはブランドガイドラインが存在し「10%のこだわり」についての記載がある。
これは、気づかれなくてもいいが、こだわりの上乗せ、というところがブランド価値を高めるということなのだが、そういったことは、今も脈々と続いている。
本社工場の内部などには、いたるところにそんなこだわりが存在している。
工場に来る機会があったら、ぜひ探してほしい、と思う。
2020年11月22日 高橋司
コメントを残す