「つなぐビール」とは何か?
2015年にポプラ社より発行された「つなぐビール」という本をご存知だろうか?この本はベアレンのそれまでの歴史を、現社長嶌田が当時専務の立場で綴った物語。この本は、それまでのベアレンを一言で言い表した「つなぐビール」というタイトルだった。今年4月、このタイトルと同名の「つなぐビール」が製品として発売になった。この「つなぐビール」とは、いったいどいうビールなのか?
つなぐ、という名の挑戦
「つなぐビール」は、岩手大学クラフトビール部との協働プロジェクトから始まっている。ホップ生産量日本一の岩手県。しかし、その一方で、ビールのもう一つの柱である麦芽の約9割は、いまだ海外に頼っている。この現実に向き合い、私達は考える——「もし、麦芽もホップもすべて岩手でつくれたなら、どれだけ豊かなビール文化をこの地に根づかせることができるだろう」と。
そんな想いのもと立ち上がった「つなぐビールプロジェクト」は、大麦を育てるところから始まった。生産者、学生、ブルワリー、そして飲み手の皆さん——すべての関係者が主人公となって、この一本のビールを育てるのである。
誰かの畑が、誰かの乾杯になる
このビールが目指しているのは、「美味しいビールをつくること」だけではない。麦の種を蒔く人がいて、土を耕す人がいて、育てる人、造る人、そして飲む人がいて初めて、ビールは完成する。これは、地域の営みそのものをビールという形で“循環”させる試みなのです。
農業の高齢化や耕作放棄地の増加といった、地方が抱える課題に対して、「ビールづくり」というアプローチから未来を照らそうとするプロジェクト。それが「つなぐビール」。つまり飲む人もまた、そのサイクルの一員。このビールを手に取ることで、あなたも岩手の農業と食文化を支える“つなぐ人”になっているのである。
安さではなく、想いで選ぶ時代へ
つなぐビールは、「消費されるビール」とは一線を画す。一言で表すならば「共感されるビール」。今、この瞬間も、畑で耕す人がいて、ホップ畑で汗を流す人、ビールを仕込む人がいる。つまり、このビールは、決して機械的に作られるものではなく、人が想いをもって造りだす、ということを感じることができるのだ。
つなぐビールは、その最初のプロセスから始まり、飲む人がいて、想いを語る。物理的な生産の循環と、関わる人の想いを循環させる。つなぐビールは、謂わばビールを通じて紡ぐ物語。多くの人にこのビールを飲んでもらい、一緒に想いをつないでもらいたいと願っている。
2025年7月11日 高橋司






コメントを残す