ラズベリーエールについて

ベアレン醸造所が地元岩手県の果実を使用した「いわての果実シリーズ」第4弾。

選ばれたのは希少果実のラズベリー。果実の特徴とビールの相性、そして味わいについてのご紹介。

伝統的な果実のビールへのチャレンジ

ベアレン醸造所では、古いスタイルのビールについて、強いこだわりを持っている。そもそも100年前の醸造設備を所有し、他では作れないビールづくりをしているので、当然といえば当然なのだが・・・。しかし、いくらベアレン醸造所でも、古いレシピや、設備、技術だけでは作れないビールが存在する。その一つが果実を使ったビールだ。

ベルギーに存在する伝統的な極上フルーツビール。

さて、日本国内でフルーツビールというと「甘い」「ジュースみたい」というイメージがあるかもしれない。なぜなら使用している果実の殆どが、生食用の果実であり、そのまま食べても美味い糖度が高く、瑞々しい果実だからだ。

しかし、ビール大国の一つベルギーに存在するフルーツビールは、そういったイメージとはかけ離れている。代表的なビールに「クリーク(ランビックにサクランボを漬け込んだもの)」や「フランボワーズ(ランビックにラズベリーを漬け込んだもの)」がある。その名の通り、サクランボ、ラズベリーが使われており、酸味が強いビール「ランビック」に漬け込んで造るのが特徴だ。これは、酸が強いランビックと味わいのバランスを取るために、同様に酸の強い果実を使用しているためと容易に想像できる。(日本と異なり、これらの果実も酸の強い品種が使用される)

なぜならば、果実を使用したお酒は発酵過程で糖度が下がってしまい、糖酸のバランスがとれず薄っぺらな味わいになりがちだからだ。(ビール+果汁でブレンドするのは別です)

贅沢の極み。岩手県産ラズベリー約20万個分を使用。

今回、ラズベリーエールに使用した果実は200kg(2400Lのビールに対しての重量)。実に20万個のラズベリーを使用している。漬け込む先のビールは、本社工場の設備で専用に仕込んだ上面発酵のエールで、発酵タンクで漬け込んでいる。ベルギーのフランボワーズと比較すると香りでバランスをとっているのが特徴だ。

【発酵タンクに浮いているラズベリー。漬け込み終わったラズベリーは丁寧にすくい取る。】

ベアレン史上、もっとも高価なビール

ラズベリー自体、原料としては高価なものになっていて、これだけまとまった量を入手することは難しいが、縁あって仕入れることができた。2020年からリリースしているが、本格製造を決めた段階で、「どうせ造るなら贅沢に!」と製造チームが気合を入れて仕込んでいる。ベースのビールは、仕上がりの味わいから逆算して専用に仕込み、発酵タンクでしっかりと漬け込む、という徹底ぶり。県産ラズベリー確保の事情から、製造数量もかなり少ないものとなっている。個人的には、価格以上に贅沢なビールだと思う。見かけた方はぜひ一度は味わっていただきたい。

2021年8月31日  高橋司

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