伝統ある醸造所から学ぶこと

かつて、ベアレン醸造所では輸入ビールを集めては定期的に勉強会を行っていた。最近はスタッフも増えてきたため、難しくなっていた。しかし、先日久しぶりに社内の有志で勉強会を行ったので、その内容をご紹介したい。

今回はシュナイダー醸造所のビールを中心にしたラインナップ

この時は、南ドイツの伝統あるシュナイダー醸造所の限定醸造の「ヘレス」と過去の限定ビール、通常ラインナップのテイスティング。50年ぶりの復活醸造のビールに期待をしながらのテイスティングとなった。

味わいの表現なども重要だが・・・

会話でなされるのは、味わいの表現や特徴を捉える方法などもあるが、実は歴史やストーリーの話をしていることが多い。これはベアレンのテイスティングの特徴かもしれない。
今回のビールで言えば、醸造所の歴史、このビールをなぜ50年ぶりに復活させたのか、など。ストーリーはいつも重要視しており、社内試験(年間2回行われている)にも歴史のパートは多く出題されている。

新たなチャレンジを始めた歴史ある醸造所の取り組み

今回で言えば、興味深く学びになったのは、シュナイダー醸造所が限定復活させたヘレスの開発プロセスだ。シュナイダー醸造所は世襲制となっており、現在の6代目シュナイダー氏になってから様々なスタイルにチャレンジしている。今回の「ヘレス復活」は、6代目のチャレンジの延長線上にあった。しかし、このヘレスに関しては50年前の味わいを知る人がまだ多く存命している。その一人が90歳を超えた5代目シュナイダー氏だ。そのため、ヘレス復活においては、6代目シュナイダーとマイスターだけで、味わいを決めたわけではないらしい。シュナイダー社のセールスディレクターの話によると、5代目を交えて何度もテイスティングを重ねたそうだ。さらに地元関係者とのお披露目を行ない、リリースをしている。

何が重要だったのか?

味わいが重要であったことは間違いないが、注目すべきはプロセスだろう。支えている地域と先代の歴史に敬意をはらう姿勢。ここに伝統を守り、作り続けてきた醸造所の哲学があると思う。翻って我々はどうだろうか?学ぶべきことはとても多い。

2021年7月5日 高橋司

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