サマーホップドラガー

ベアレンでは、久しぶりの新商品となった「サマーホップドラガー」。
その商品のコンセプトに迫る。

「商品名」≠「ビアスタイル」の理由

ベアレンでは、商品名にビアスタイルをつけるのが一般的である。これは、ビールの味わいを想像しやすい、というのが主な理由からだ。
20年ほど前は、ほとんどすべての醸造所で、商品名にビアスタイルをつけていた。しかし、「クラフトビール」市場の拡大と共に、多様化がすすみ個性的な名前が増えてきた。

「サマーホップドラガー」の名前

個性的でインパクトの強いビールは、強烈過ぎて味わいでの差別化がしにくい。そのため商品名で差別化するのが最も効果的は方法の一つだろう。つまり、商品名からではビアスタイルは想像できない、というのが最近のクラフトビールの商品名の現状といえる。
一方、ベアレンの商品名は、「名前からビアスタイルを想像させたい」という明確な目的がある。それでは、このビールは一体どんなビールなのか?

ドライホッピングをしたラガービール

ベアレンは、これまで数々のラガービールを製造しているが、「夏向けのラガービール」をコンセプトに商品開発されたビールは今までなかった。ホップを効かせた「夏に美味いラガービール」。ドライホッピングによる苦味をしっかりと感させたいラガービール。ゆえに、商品名には、メーカーとして伝えたい想いの「サマー」「ホップ」「ラガー」のワードをつなげた名前になっている。

実際、味わっていただけるとわかるが、ホップの苦味がしっかりと効いている。しかし一口飲んで、すぐにホップの苦味、華やかなアロマもスッと抜け、飲み飽きしない。また、温度変化により麦芽由来の甘みが後から感じられるため、ホップのアロマと苦味をしっかり感じながら、奥行きのある味わいを楽しむことができる。

ラガービールにこだわる

ラガービールは、エールのような華やかさや強烈なインパクトを残すビールは少ない。
これは製造工程にラガーリング(貯蔵)工程があるためで、まろやかで落ち着いた味わいになる傾向にある。そのため、美味しさは微妙な差で評価される一方、不味さは万人にわかりやすい。製造し続けるにはハードルが高く、新商品も(実は)チャレンジングな取り組みとなる。

ベアレンらしいチャレンジが「サマーホップドラガー」であり、ラガー好きにはぜひ飲んでもらいたい夏の限定ビールである。

2021年6月21日 高橋司

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