ザ・デイ イタリアンピルスナー

ベアレン醸造所から、「ザ・デイ」限定ビール、イタリアンピルスナーが発売となる。このビールを何故作ることになったのか、まずはスタイルの説明をしながら解説したい。

そもそも、何故「イタリアン」なのか?

イタリアのクラフトブルワリー(小規模醸造所)が作り始めたとされ、アメリカのクラフトビール会社などがイタリアンピルスナーとして販売。その後クラフトビールの業界で、世界的に広まり始めた新しいビールのスタイル(カテゴリ)として認知され始めている。

革新と伝統の新しいスタイル。

では、どういった造りが特徴なのか?近年、クラフトビールの中で「ホップ」の香りを特徴づけるため、好んで使われる方法に「ドライホッピング※」がある。これは、仕込み工程ではなく、発酵、または貯酒工程において「追いホップ」をしてホップの特徴を強めるものだが、目的が「ホップの特徴を強める」なので、非常に苦い、または香りの強いビールになる。※ドライホッピングの手法自体は古くからある。
そういったトレンドの中、生まれたのがイタリアンピルスナーである。ドライホッピングに使用するホップに伝統的なドイツのアロマホップを使用する、というもので、非常に上品なホップの香りが特徴。近年の製法で伝統的なホップを引き立たせる、まさに「革新と伝統」のピルスナーと言える。

ドイツ産アロマホップを通常の3倍使用。

ベアレンのイタリアンピルスナーは、アロマホップを重量比で通常の3倍も使用している。というのも、アロマホップの香りはビールに残りにくいため、ドライホッピングを2回している。そのため必然的に量も多くなる。ゆえに、一般的に苦味の指標とされるIBU(国際苦味値)は33とやや高めだが、アロマホップの豊かな香りとピルスナーのシャープな飲み口で、嫌らしくない上品な味わいに仕上がっている。

ベアレンの新しいチャレンジ

ベアレンの「ザ・デイ イタリアンピルスナー」には、伝統へのリスペクトが込められている。新しいスタイルのビールだが、基本スタイルはピルスナー。インパクト重視の味わいではなく、しっかり量も飲めて、飲み飽きない。アロマホップの香りが豊かに感じられる「伝統と革新」のイタリアンピルスナーは、ラガービールで挑戦を続けるベアレンの新しいチャレンジビールといえる。


2021年5月21日 高橋司

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