新たな楽しみを見つけてほしい。

「つなぐビール、その後」の前って??という方へ、著書「つなぐビール」公式サイトをご参照ください。https://www.tsunagu.beer/

2016年春、この時、ベアレンには4店の直営レストランがあった。

一号店のビアパブベアレン材木町、英国パブスタイルを取り入れ、当時ではまだ盛岡では少なかったキャッシュオンデリバリー式のお店にした。割り勘が一般的な日本において使いやすいようにと、キティという支払い方法*を紹介した。イギリスのエールを本場のスタイルで常温に近く、窒素ガスでサービングしたりなどの取り組みをした。

*各自があらかじめ会費をトレーに出しておき、それで全員の支払いをする。

二号店のビアバーベアレン中ノ橋は、当初はバースタイルを主体にスタンディングコーナーも作り、ベアレン以外のお酒も気軽に飲めるようにとインポートビールも多く用意したが、なかなか定着せずにカウンターには椅子を置き、当初なかったパーティプランもこのころには導入していた。インポートビールを含めて14種類の樽生は今でもベアレンの中で一番多いお店になっている。

そしてこの年にオープンした、ビア&ヴルストベアレンは盛岡駅ビル内のテナント店。気軽に短い時間でも気軽にビールを飲めるスタイルを目指し、おつまみもソーセージなどの軽いものを中心にそろえていた。しかし、午前からの営業は苦戦し、軌道に乗るというところからは程遠い営業状況だった。しかし、夜遅い時間などの調整時間などでは着実に需要が見えてきていた。

そこへ、盛岡市外の中心地にある菜園のクッチーナである。さて、どうしたものか。

飲食業が中心の起業ではないベアレンでは、場所だけで選ばれるとどうしても店舗間のお客さまの移動が起きてしまい、全体として店舗を増やした効果が出にくい。

メーカーのアンテナショップとしての位置づけなので、お客さまにも新たな発見、私たちとしても新たなチャレンジの場でもありたい。そんな思いから菜園クッチーナの今後について私は頭を悩ませていた。

クラフトビール会社を起業するにあたって、私はお酒を飲む、ビールを飲む、新たな楽しみを見つけてほしいという思いを強く持っている。そう言った観点では私たちの起業時に日本人の多くは多様なビールの世界を知らなかったし、その一端をご紹介して来られたのではないかと思う。だから、直営レストランも新たな発見の場所であってほしいと思っている。

そう言った思いから中ノ橋店では当社以外のインポートビールも扱っているし、マイジョッキ制度やビール会なども始めた。盛岡、岩手では初めて、も意識してきた。世界ではやっていること、導入されていることを岩手でも紹介して新たな楽しみを見つけてほしい。

そんな考えから、この菜園クッチーナの行く先を模索していた。

今、2021年にいる皆さんにはもうお分かりだろうが、この考えから、菜園マイクロブルワリーが生まれるのである。店舗で作ったビールをその場で飲んでもらう。さらにバラエティ豊かなビールの世界を楽しんでもらいたい。その思いから、菜園マイクロブルワリーの構想が始まった。

※ページ上部の写真は、当時のクッチーナのテラス席、ここをブルワリーへと改装することになる。

ベアレン醸造所 専務取締役 嶌田洋一

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